トップ > お役立ち記事 > 雪道・冬道で借りた車を運転するとき
雪道・冬道で借りた車を運転する前に|整備士が教える確認ポイント
結論:年末年始の帰省などで実家や友人の車を借りて雪道を走るなら、確認するのは2つです。①その車が冬の装備になっているか(スタッドレス・ブレーキ・バッテリー・空気圧) ②自分が冬道に慣れているか。とくに融雪剤を多く使う地域では、長く動かしていない車のブレーキが引きずる・サイドブレーキが固着することがあり、これは非常に危険です。あわせて、ふだんその車の保険に入っていない方が運転するなら、運転する人自身が1日自動車保険に加入しておくと安心です(1日800円から)。
まず確認するのは「車の冬装備」と「自分の慣れ」の2つ
年末年始の帰省で、実家や友人の車を借りて雪道を走る予定がある方は、①その車が冬の装備になっているか ②自分がその道に慣れているかの2つを分けて考えてください。どちらか一方でも欠けていると、事故の可能性が上がります。
とくに、ふだん雪の降らない地域で暮らしている方が、雪国の実家の車を借りて運転するケースは注意が必要です。車は冬装備でも、運転する人が冬道に慣れていないという組み合わせになりやすいためです。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| スタッドレスタイヤか | サイドウォールの「STUDLESS」表記/残り溝/製造年 |
| ブレーキの状態 | 効き・引きずり・異音(融雪剤地域はとくに) |
| バッテリー | エンジンのかかりやすさ(気温が下がると性能が落ちます) |
| タイヤの空気圧 | 気温低下で下がります。長距離前は必ず点検 |
| チェーンの備え | 通行する道路のチェーン規制情報 |
| ご自身の慣れ | 冬道の運転経験。不安なら運転を代わってもらう判断も |
【整備士から】スタッドレスタイヤの見分け方と、溝の判断
借りる車のタイヤが本当に冬用かどうかは、タイヤの側面(サイドウォール)を見れば分かります。
1. 「STUDLESS」の表記があるか
スタッドレスタイヤには、サイドウォールにSTUDLESSと表記されています。まずここをご確認ください。夏タイヤ(ノーマルタイヤ)のまま雪道を走るのは非常に危険です。
2. 「プラットフォーム」が出ていないか
スタッドレスタイヤには、残り溝を判断するための「プラットフォーム」という突起が設けられています。摩耗が進んでこの突起が露出した状態は、新品時の溝の50%まで減った目安で、冬用タイヤとしての性能が期待できない状態とされています。溝の奥をのぞいて、プラットフォームが出ていないかを確認してください。
3. 製造年を確認する(溝だけで判断しない)
サイドウォールには4桁の数字が刻印されています。前2桁が製造週、後2桁が製造年です(例:「3623」なら2023年の36週目)。ゴムは年数の経過とともに硬くなり、溝が残っていても雪や氷に対する性能は落ちていきます。溝だけを見て「まだ使える」と判断しないことが大切です。
【整備士から】融雪剤をまく地域で起きやすいブレーキのトラブル
ここは、雪国の車をお借りする場合にとくにお伝えしたい点です。
長期間保管していた車は、ブレーキローターが錆びてブレーキの効きが悪くなったり、逆にブレーキシリンダーの動きが悪くなってブレーキを引きずってしまったりすることがあります。引きずった状態はベーパーロック現象の原因となり非常に危険です。
そしてこの症状は、融雪剤を多く使う地域で発生しやすくなります。中にはサイドブレーキが固着してしまうこともあります。雪国の実家で、冬のあいだ動かしていなかった車を急に動かす場合は、この点を頭に入れておいてください。
整備士に伝えるのは「自分の体で感じたこと」
点検をお願いするとき、まずは自分の体で感じたことを整備工場の方に伝えることが非常に大事です。専門用語である必要はありません。
- エンジンをかけるときにかかりにくかった
- 走行中に車が流れる(まっすぐ走らない)
- ガタガタと音がする
- 思った位置に止まれない(ブレーキの効きに違和感がある)
この一言があるだけで、点検の精度は大きく変わります。年末年始は工場も混み合う時期ですから、症状を先に伝えておくことが早い解決につながります。
冬はバッテリーと空気圧も落ちる
気温が下がるとバッテリーの性能は落ちます。久しぶりにエンジンをかけてかかりにくかった場合は、ガソリンスタンドや整備工場でバッテリーの比重点検を受けることをおすすめします。そこまで弱っていなければ、1時間ほど走行すれば充電されるため問題ありません。
タイヤの空気圧も、気温が低いと下がります。長く置いてある車はもともと下がっていることが非常に多いので、長距離を走る前には必ず点検してください。雪道では空気圧が適正でないと、さらに挙動が不安定になります。
雪の季節でなくても共通する出発前の点検は「帰省・旅行で多い車のトラブルと出発前点検」にまとめています。
雪道の運転で、慣れていない人がとくに気をつけること
保険や整備とは別に、運転そのものについても触れておきます。冬道に慣れていない方は、次の点を意識してください。
- 急ハンドル・急ブレーキ・急アクセルを避ける。「急」のつく操作が滑りを生みます
- 車間距離をふだんより大きく取る。制動距離が伸びます
- 橋の上・トンネルの出口・交差点の手前は凍りやすい場所です
- 朝晩の路面凍結に注意。日中に融けた水が夜間に凍ります
- 下り坂ではブレーキに頼りすぎず、エンジンブレーキを併用する
- 不安なら運転を代わってもらう判断も大切です。無理をしないでください
借りた車で雪道を走る日の保険の備え方
ふだんその車の保険に入っていない方が運転するなら、運転する人自身が1日自動車保険に加入しておくと安心です。万一の事故でもご自身の補償で対応でき、車の所有者(親御さんなど)の保険を使って等級を下げてしまうリスクを避けられます。
お申込みはスマートフォンから24時間可能で、乗る直前でも手続きできます。対象になるのは他人が所有する自家用の普通・小型・軽四輪乗用車です(ご自身や配偶者が所有する車、法人名義の車、レンタカー・カーシェアは対象外)。
年末年始の受付体制(申込みは24時間・事故受付は24時間365日)については「連休中でも申し込める?事故受付は?」で解説しています。帰省で実家の車を借りる場合の対象条件は「帰省で実家・親の車を運転するなら」をご覧ください。
運転する日だけスマホで加入(1日800円から)お支払いは携帯料金と合算(キャリア決済)/免許証をご用意ください
※車両補償付きのワイドプランは登録完了日の翌日から起算して7日目以降が開始日となるため、事前のご登録が必要です
代理店からの実務メモ(整備士としての視点)
現場の声:長く動かしていなかった車を急に動かすとき、私が整備士としていちばん気にするのはブレーキです。ローターが錆びて効きが落ちるだけでなく、シリンダーの動きが悪くなって引きずった状態になることがあり、これはベーパーロック現象の原因となって非常に危険です。
そしてこの症状は、融雪剤を多く使う地域でとくに発生しやすくなります。サイドブレーキが固着してしまうケースもあります。雪国の実家の車を年末年始に動かす、という状況はまさにこの条件が重なります。
タイヤについても、実家の車は「冬用を履かせたまま何年も」ということが少なくありません。溝が残っていてもゴムは硬くなりますので、製造年もあわせて見てください。少しでも不安があれば、出発前にガソリンスタンドや整備工場で点検を受けていただくのがいちばん確実です。
よくある質問
借りる車がスタッドレスタイヤか、どこを見れば分かりますか?
タイヤの側面(サイドウォール)に「STUDLESS」と表記されているかをご確認ください。また、スタッドレスタイヤには残り溝を判断するための「プラットフォーム」という突起があり、これが露出していると新品時の溝の50%まで摩耗した状態=冬用タイヤとしての性能が期待できない目安とされています。あわせてサイドウォールの4桁の数字(前2桁が製造週、後2桁が製造年)で製造年もご確認ください。ゴムは年数で硬くなるため、溝が残っていても年数が経ったものは注意が必要です。
溝が残っていればスタッドレスは何年でも使えますか?
溝が残っていても、ゴムが硬化すると雪や氷に対する性能は落ちていきます。一般的には数シーズンでの交換が目安とされており、製造年から年数が経っているものは、溝だけで判断しないほうが安全です。判断に迷う場合は、出発前にガソリンスタンドや整備工場でタイヤの状態を見てもらうことをおすすめします。
長く動かしていない実家の車で、冬に気をつけることはありますか?
3点あります。1つ目はバッテリーで、気温が下がると性能が落ちるため、久しぶりにエンジンをかけてかかりにくかった場合はガソリンスタンドや整備工場で比重点検をおすすめします。そこまで弱っていなければ1時間ほど走行すれば充電されます。2つ目はタイヤの空気圧で、長く置いてある車は下がっていることが非常に多く、気温が低いとさらに下がります。3つ目はブレーキで、長期保管によりローターが錆びて効きが悪くなったり、逆に引きずったりすることがあります。
融雪剤をまく地域で、とくに注意すべきことは何ですか?
融雪剤を多く使う地域では、ブレーキの引きずりが発生しやすくなります。ブレーキシリンダーの動きが悪くなって引きずった状態になると、ベーパーロック現象の原因となり非常に危険です。また、サイドブレーキの固着が起きることもあります。長く動かしていなかった車でこうした地域を走る場合は、出発前に整備工場での点検をおすすめします。走っていて違和感や振動がある場合は、とくに注意してください。
雪道でチェーンは必要ですか?
スタッドレスタイヤを装着していても、大雪時に「チェーン規制」が実施された区間ではチェーンの装着が必要になる場合があります。規制の内容は道路管理者の発表によりますので、出発前に通行する道路の規制情報をご確認ください。とくに山間部の峠道を通る場合は、備えておくと安心です。
借りた車で雪道を運転します。保険はどうすればいいですか?
ふだんその車の保険に入っていない方が運転するなら、運転する人自身が1日自動車保険に加入しておくと安心です。万一の事故でもご自身の補償で対応でき、車の所有者(親御さんなど)の保険を使って等級を下げてしまうリスクを避けられます。1日800円から、スマートフォンから24時間申込みできます。ただし借りた車そのものの損害に備える車両補償付きのワイドプランは、登録完了日の翌日から起算して7日目以降が開始日となるため、直前では選べません。
雪道で滑って停まれず、ぶつけてしまったら車両補償は使えますか?
借りた車そのものの損害に備えるには、車両補償が付いたワイドプランを選んでおく必要があります。ただしワイドプランは登録完了日の翌日から起算して7日目以降を開始日とする場合に申込みできるため、当日や直前の申込みでは選べません。年末年始に雪道を運転する予定があるなら、早めにお客さま情報の登録を済ませておくことをおすすめします。実際に補償の対象となる範囲は約款の定めによりますので、必ず約款・重要事項説明書でご確認ください。
この記事は、あいおいニッセイ同和損保の保険代理店「有限会社サンガ」(監修:辻本 貴行/自動車整備士)が、1日自動車保険「ワンデーサポーター」の取扱代理店としてご案内しています。点検に関する記述は一般的な整備の考え方であり、車両の状態は個別に異なります。対象条件・補償・手続きの詳細は、必ずお申込み画面およびパンフレット・約款・重要事項説明書でご確認ください。